2025.06.15

6月から新しいインターン生が着任!

お久しぶりです。富士宮市地域おこし協力隊インターンOBの佐野です。
6月から新しい地域おこし協力隊インターン生が2名着任しました!先日、お二人の活動や今後の展望について取材をしてきましたので、紹介していきたいと思います。第一弾は京都大学工学部情報学科3年の河島航(かわしま・わたる)さんです。

「創造の楽しさ」を富士宮から

この春、富士宮市に新しい風が吹き込んでいます。地域おこし協力隊のインターンとして着任したのは、河島 航(かわしま・わたる)さんです
京都大学工学部情報学科に在学中の河島 航さんは、岡山県出身の21歳。これまではエンジニアとして、様々な「創造活動」を行ってきました。

小さい頃からものづくりに夢中で、使わなくなった家電を分解しては、中の仕組みにワクワクしていたとか。今では、ゲームの開発やAIツールを使ったアプリ制作、さらには木造人工衛星「LignoSat」の信号システムの開発にも携わるなど、挑戦的な活動にも取り組んできました。

「NYでメディアアートの制作に関わったり、eスポーツイベントを企画したこともあります。新しい技術で表現することが、とにかく楽しくて。」

そんな河島さんが今回、富士宮での活動を志した理由は、「地方の若者にも、創造する喜びを届けたい」という思いがあったようです。

「都会ではITを使った創作の機会も多いけど、地方ではまだ限られている。だからこそ、富士宮のようなまちでこそ、やる意味があると感じました。」

これからの活動では、中高生向けのイベントや講演会を通して、富士宮市の若者が自由に“つくる楽しさ”に触れられる機会をつくっていきたいと話してくれました。

中高生を対象に、AIを使ったものづくりイベントを企画中

河島さんが現在進めているのは、中高生を主なターゲットとした「AIハッカソン」の企画・準備です。
「ハッカソン」とは、参加者が短期間でアイデアを出し合い、チームでアプリやWebサービスなどを開発するイベントのこと。
昨年富士宮市に新しくできた、若者の挑戦を支援する施設「CHILL IN(チリン)」を活用し、今夏の開催を目指して準備を進めています

「特別なスキルがなくても、誰でも参加できるように設計しています。生成AIを活用すれば、チャット感覚でアプリを作ることもできるんです。」

たとえば「富士山の観光マップを作りたい」といったアイデアも、AIに自然な文章で入力するだけで、実際に形にすることができるとのこと。このように、自然言語を用いて開発する手法を「Vibe Coding(バイブ・コーディング)」と言います。河島さんは、AI技術を活用し、富士宮市の若者に“作ることは面白い”と感じられる機会を提供し、情報リテラシーの向上や富士宮市のものづくりへの貢献を目指してきたいと話してくれました。

「CHILL IN(チリン)」を拠点に自由な学びの場を

河島さんは、駅前の交流拠点「CHILL IN(チリン)」にも常駐するそうです。CHILL INは、昨年度新しくできた、若者の挑戦を応援する施設です。ここを、中高生が自由に立ち寄って学び・創作できる“第3の居場所”=サードプレイスとして開放し、プログラミングやものづくりの相談が行える環境づくりに取り組んでいくそうです。

「学校や家庭では得にくい、“つくる体験”をCHILL INで気軽にできるようにしたい。イベントのない日でも、いつでも話しかけてほしいです。」

今後は講演会やミニイベントも開催していくそうです。すでに地元の西富士中学校で、AIの活用に関する授業を行ったそうで、学校や地域と連携した学びの仕組みも育ちつつあります。

地域課題の一つ「発信力」にもアプローチ

河島さんが感じた富士宮の地域課題のひとつが「発信の少なさ」。

「せっかく富士山という日本を代表するアイコンがあるのに、それを活かした情報発信がまだ十分ではないと感じました。」

ハッカソンでは、富士山をテーマにアプリや作品を作ることで、地域の魅力を若者の手で外に届けていくことも狙いのひとつ。
賞品なども用意し、“つくる喜び”と“地域を発信する楽しさ”を同時に味わえる機会にしたいと話します。

目指すのは“仕組み”として残すこと

インターン期間は3か月間と限られていますが、河島さんが目指すのは一過性ではない「仕組みづくり」
将来的には、ハッカソンを定期開催し、地元の企業や大学生・地域の大人が巻き込まれる形で、富士宮に創造の文化が根付くことを描いています。

「僕自身、地元の中高生の柔らかい発想に出会えるのをとても楽しみにしています。」

河島さんの活動にご期待ください!

各インターン生の詳細は本ホームページの「メンバー紹介」のページからご確認ください!Instagram、Facebook、X(旧Twitter)などでも随時活動内容を更新しますので、そちらも併せてご覧ください🗻(佐野)